記事要約
英語の商談がうまく話せないのは、「英語が下手だから」よりも、商談の進め方が頭の中で整理されていないことが原因になりがちです。導入で目的と流れを握れず、ヒアリングで前提がズレ、提案で価値が一言で言えず、反論が来た瞬間に会話が止まる——この流れは“型”で改善できます。本記事では、提案から合意までを5パートで回す商談フレーム、場面別の使えるフレーズ、録音とロールプレイで再現性を作る練習法、忙しい海外営業でも止めない学習設計をまとめます。最後に独学が厳しい場合の選択肢も整理します。
英語の商談がうまく話せないのはなぜ?まず原因を分解する
結論から言うと、英語商談で詰まる人の多くは「言葉」より先に「順番」と「確認」の設計が不足しています。つまり、何をどの順で聞き、どのタイミングで価値を提示し、反論が出たらどう収束させるか——この手順が曖昧なまま英語だけ頑張ってしまう状態です。原因を分解すると、打ち手が一気に絞れます。
英語力より「商談の進め方(型)」が曖昧だと詰まりやすい
英語商談は、雑談英会話とは違い“目的達成の会話”です。ところが商談の型がないと、相手の話に合わせているうちに議論が散って、結局「何の話だったっけ?」となりやすい。すると、英語が多少話せても主導権を取れず、沈黙が増えます。
たとえば、相手が製品説明を求めているのに、こちらが機能の話から入る。相手は本当は「価格の前提」や「導入条件」を知りたいのに、話がズレたまま進む。こうなると後半で必ず反論が増えます。商談は、英語力の競争ではなく、型を使った意思決定の誘導です。
相手の意図を取り違える:確認不足が失注につながる
英語商談でよくある失注パターンは、相手の質問を“自分に都合よく解釈”して答えてしまうことです。英語だと、少し聞き逃しただけで前提がズレます。ズレたまま提案を続けると、相手の頭の中では「この会社、うちの状況分かってないな」と評価が下がります。
ここで大事なのは、完璧な理解より「合っているかを確かめる」姿勢です。商談で信頼されるのは、流暢さよりも、認識を合わせる丁寧さです。
反論で止まる:言い換えと合意形成の準備が足りない
反論が来た瞬間に会話が止まるのは、返しの型がないからです。英語で反論を受けると、頭の中で「否定された」と感じて焦り、英語の精度を上げようとして沈黙が伸びます。
でも実務では、反論は“前に進める材料”です。価格なら条件、機能なら優先順位、導入工数ならスコープ。論点を切り分け、合意できるところを一つずつ積むだけで、会話は前に進みます。
英語商談の基本フレーム:提案から合意までを5パートで回す
結論はシンプルで、英語商談は「導入→課題確認→提案→反論対応→合意」の5パートを回すだけで、迷子になりにくくなります。ここでは、各パートで“何を達成するか”を先に決め、英語を短くします。
導入:目的共有とアジェンダ合意で主導権を取る
導入でやることは、実は雑談ではありません。もちろん軽いアイスブレイクは有効ですが、最初の勝負は「この商談で何を決めるか」を握ることです。目的と流れを合意すると、途中で話が逸れても戻せます。
例として、冒頭は次のように“ゴール”を短く言うだけで十分です。
「Today, I’d like to understand your needs and then propose a possible approach. Does that work for you?」
この一言で、相手は「今日は提案まで行くんだな」と構えられます。こちらも、話す順番が固定されて落ち着きます。
課題確認:質問→要約→確認で「前提ズレ」を潰す
商談は提案より先に、前提合わせが重要です。課題確認では、質問しっぱなしにせず、要約して確認します。ここが英語商談の成功率を大きく左右します。
たとえば、相手が「今のプロセスが重い」と言ったときに、すぐ提案に飛ばないことです。
「Just to confirm, the biggest pain point is the manual work in onboarding, right?」
こう言って確認できると、ズレが早い段階で潰れます。逆に、確認がないと、後半で「それは求めてない」と言われて崩れます。
提案:結論→根拠→次アクションで短く伝える
英語商談で“提案が弱い”と言われる人は、提案が長いことが多いです。長いほど、英語も崩れやすい。提案は、結論を先に置いて、根拠を一つだけ添え、次のアクションを提示します。
例: 「I recommend starting with a pilot for two teams, because it minimizes risk. If it works, we can scale it in Q2.」
このくらいの短さで、相手は判断できます。細かい仕様は後で詰めればいい。
具体例1(海外営業の現場):新規顧客が「導入が大変そう」と言っているケース。ここで機能説明を始めると負けます。「まずは小さく始める」を結論にする方が刺さります。
反論対応:認める→切り分ける→代案の順で前に進める
反論対応は、言い返す場ではなく“論点整理”の場です。型は、①認める(理解を示す)→②切り分ける(論点を一つにする)→③代案(次の一手)です。
たとえば価格反論が来たら、こう進めます。
「I understand the budget concern. Let’s look at what’s included in the first phase. We can start smaller and expand after we see results.」
ここで重要なのは、相手を論破しないこと。合意できるところに戻すことです。
合意:決定事項・担当・期限を英語で確定する
英語商談で最後に差がつくのは、合意の言語化です。商談が良い雰囲気でも、合意が曖昧だと失注します。会議の最後は「決定事項・担当・期限」を必ず読み上げます。
「So, we’ll send the proposal by Wednesday, and you’ll review it internally by Friday. Then we’ll schedule the next call next week.」
この一言が言えると、商談の主導権と信頼が一気に上がります。

すぐ使える英語商談フレーズ(場面別)
結論として、フレーズは“増やす”より“固定する”方が強いです。ここでは、商談で頻出の場面に絞って、使い回せる言い方を整理します。
ヒアリング:ニーズ・制約・意思決定プロセスを確認する
ヒアリングは、質問の数より“深さ”が重要です。次の3方向だけ押さえると、提案がズレにくくなります。
ニーズ: 「What outcome are you aiming for in the next three months?」
制約: 「Are there any constraints we should be aware of—budget, timeline, or resources?」
意思決定: 「Who will be involved in the decision-making process?」
これらは暗記するというより、毎回同じ形で使うのがコツです。
提案:価値(Benefit)と差別化を一文で言い切る
提案が弱く見えるのは、“価値”が先に出ていないからです。機能より、相手の得が何かを先に言います。
「The main benefit is that you can reduce onboarding time by standardizing the workflow.」
差別化は、競合比較を丁寧にやりすぎるより、“選ぶ理由”を短く言う方が効きます。
「What makes us different is the dedicated support during the first month.」
反論:価格・機能・導入工数の切り返しテンプレ
価格: 「If budget is the key issue, we can adjust the scope for phase one.」
機能: 「Let’s prioritize what you need first. Which feature is critical for the first release?」
導入工数: 「We can start with a small pilot to keep the implementation light.」
ポイントは、反論を“YES/NO”で返さず、「条件」や「優先順位」に変換することです。
クロージング:次回設定と合意文言(フォロー英文含む)
商談の締めは、丁寧な挨拶より“次の行動”です。
「What would be the best next step from your side?」
フォローのメールも、短く決定事項を並べると強いです。
「Thanks for your time today. As agreed, we’ll send the proposal by Wednesday. Please let us know your feedback by Friday.」
商談は“ロールプレイ”で伸びる:再現性を作る練習法
結論として、英語商談は“場数”ではなく“改善サイクル”で伸びます。忙しい海外営業でも回せる、現実的な練習法に落とします。
想定問答の作り方(質問リスト→30秒回答→言い直し)
まず、商談でよく来る質問を10個だけ集めます。価格、導入期間、競合比較、セキュリティ、サポートなど。次に、それぞれ30秒で答える“短い結論”を作ります。最後に、録音して、詰まった箇所を一文だけ言い直します。
ここで大事なのは、10個すべてを完璧にしないこと。1回の練習で直すのは1つだけ。改善点が小さいほど続きます。
商談録音→書き起こし→改善1点のループ
可能なら商談を録音し、会話の“詰まり”だけ拾います。全部書き起こす必要はありません。止まった箇所、言い換えられなかった箇所、確認できずに流した箇所。この3種類だけメモし、次回のテンプレに追加します。
具体例2(CSの現場):顧客が「その機能は欲しいが、社内承認が厳しい」と言ったときに固まるケース。ここは、承認プロセスを確認する質問に切り替えるテンプレを用意しておくと強いです。
「Who needs to approve it internally, and what criteria do they focus on?」
反論だけを集中的に回す「反射練習」の設計
商談で一番詰まりやすいのは反論です。なら、反論だけを練習すればいい。毎日5分、反論を1つ読み上げ、①認める→②切り分ける→③代案、の順で30秒回答を作る。これだけで、商談本番の沈黙が減ります。
忙しい海外営業の学習設計:平日でも止めない運用
結論は、英語学習は“頑張る設計”ではなく“止めない設計”が勝ちます。忙しい週でもゼロにしない下限を決め、商談の前後で伸ばします。
平日30分:型の確認+30秒即答(最低ライン)
平日30分しか取れないなら、次の順で回します。
最初の10分で商談フレームを読み返し、次の10分で想定質問に2本だけ30秒回答、最後の10分で今日使うフレーズを1つ固定する。量は少なくても、毎日“同じ型”で回すことが大事です。
平日60分:提案スクリプトの磨き込み+録音添削
60分取れる日は、提案パートを伸ばします。商談で言う提案を一度文章化し、短く削り、録音して詰まりを直す。営業は“提案が刺さるか”で結果が変わるので、英語学習を提案の改善に直結させると続きます。
商談前後の“仕込み/回収”で伸びを加速する
商談前は、想定質問を3つだけ書き出し、答えを短文で準備します。商談後は、詰まった表現を3つだけ回収して、次回のテンプレに追加する。これだけでも学習が積み上がります。
独学に限界を感じたときの選択肢
結論として、独学で伸びる人は「診断→設計→運用→改善」を自分で回せる人です。もしここが回らないなら、外部の仕組みを借りるのは合理的です。
オンライン英会話を商談練習に寄せる方法
オンライン英会話は、雑談で終わると商談力には直結しません。商談の型を持ち込み、ヒアリング→提案→反論対応→合意、の順でロールプレイしてもらい、最後に「今日の改善点を1つ」だけ決める。これができる人は伸びやすいです。
英語コーチングで短期成果が出やすい条件(設計×伴走)
英語コーチングは、学習設計と伴走で“改善サイクル”を強制的に回す選択肢です。特に海外営業は、商談という実務素材があるので、コーチングで設計がハマると伸びが早くなりやすい。
たとえばトライズ(TORAIZ)のような英語コーチングでは、学習量の確保だけでなく、実務の発話を前提に練習を組み立て、日々の運用を支援します。無料カウンセリングで「今の商談でどこが詰まっているか」を分解してもらうだけでも、独学の迷いが減ることがあります。
無料カウンセリングで確認すべきポイント(診断の具体性)
無料カウンセリングでは、雰囲気より“具体性”を見てください。
1つ目は、商談の詰まりを「導入/課題確認/提案/反論/合意」に分解して説明してくれるか。2つ目は、2週間で何をどれだけやり、商談のどこがどう変わるかが言えるか。3つ目は、忙しい週でもゼロにならない運用(下限メニュー)があるか。ここが揃うと失敗しにくいです。
よくある質問
Q1. 英語の商談がうまく話せないのは、語彙不足が原因ですか?
A. 語彙不足も一因ですが、より多いのは商談の型(進め方)と確認不足です。順番を固定し、要約→確認を挟むだけで、英語が完璧でなくても会話が前に進みます。
Q2. 商談で沈黙したとき、最初に言えると便利な一言は?
A. 時間稼ぎ+確認に繋げる一言が便利です。たとえば「Let me make sure I understood correctly.」と置くと、落ち着いて前提確認に移れます。
Q3. 反論対応が苦手です。どう練習すればいいですか?
A. 反論は「認める→切り分ける→代案」の型で30秒回答を作り、毎日1本だけ反射練習をすると改善が早いです。価格・工数・機能の3パターンから始めましょう。
Q4. 忙しくて毎日勉強できません。最低限何をすべき?
A. 1日30分の下限を作り、想定質問2本の30秒回答+今日使うフレーズ1つ固定、だけでも止めない運用ができます。商談後の回収(3つ)も効果的です。
Q5. 英語コーチングは海外営業に向いていますか?
A. 実務素材(商談)がある人ほど、設計と改善サイクルが回りやすく、向きやすい傾向があります。無料カウンセリングで「どこが詰まっているか」を具体に診断してもらうのがおすすめです。
まとめ
英語の商談がうまく話せないときは、英語力の不足より「商談の型」と「確認」が抜けていることが多いです。導入でゴールを握り、課題確認で要約→確認、提案は結論先出し、反論は切り分けて代案、最後は合意(担当・期限)を言語化する。練習はロールプレイと録音で改善点を1つずつ潰すのが近道です。忙しい海外営業は“止めない下限”を作り、商談前後の仕込みと回収で伸ばしましょう。独学が難しい場合は、オンライン英会話の運用を商談寄せにするか、英語コーチングで設計と伴走を外部化する選択肢も検討できます。


